変態教師と私。【完】
「別に…」



ソファーに座り、消されてるテレビに目を向けると、自分の顔を見て不思議に思った。

何で私が、あいつの事でこんな悲しい顔をしなきゃいけないのか。

“濱浦弘樹”という名前が。

全てが嘘で塗り固められてるようで。

ショックを受けてるのか。



「心愛?私を見て?」



唇を噛み締めた私の前に、母親がしゃがみ、顔を覗き込んで来た。

精神科医の母親は、私を診察するつもりだろうか。



「貴方は、鋭い子よ」



「……?」



でも、どうやら診察ではなく、私を諭そうとしてると感じた。
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