変態教師と私。【完】
両親のように、医者になりたいとかもないし。



「初恋か」



「してないしっ!!」



私より話を理解してるみたいだけど、残念ながら初恋はまだ。

母親の勘違いだ、きっと。



「へぇ」



強がりかも知れない。

でも、“濱浦弘樹”は偽名で。

人を騙して教師をしてるヤツなんて。

兄貴は愛玲菜にお茶を飲ませながら、私を“嘘つき”と言わんばかりの目で見て来る。

その視線から逃げるように、私は窓の外を見た。

流れる雲。

太陽も真実を知ってる。

…ズルい。

私は空にまで拗ねて居た。




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