泡沫-ウタカタ-
ナギにとって体育祭までの
数日はあっという間だった
どうしても気分が乗らない
行事は早く来てしまう
ような気になるのだ
ジャージに着替えながら
何度目の溜め息をついただろうか
「ナ〜ギ〜!頑張ろうよ〜!
体育祭なんて
あっという間だって!」
「分かってるけど…心臓が
バクバクしてて…。」
「大丈夫だって!
っていうかナギそんなに
大変な競技出てないじゃん!」
「そうなんだけど…やっぱり
緊張するんだよね…。」
「やっちゃえば
すぐ楽になるよ!」
そう言うとハルは
ナギの手を握った
「あはは!相当緊張
してるんだねぇ。手冷たいよ?」
「だってぇ…。」
「頑張ろう!
私が付いてるから大丈夫!」
「…何かハルが言うと本当に
大丈夫な気がしてきた…。」
「うん。皆でフォロー
し合えばいいんだもん。
優勝目指して頑張ろうね!」
「…うん!」
ナギは少し落ち着きを取り戻した