泡沫-ウタカタ-
開会式が無事に終わり、
午前の競技も中盤に差し
掛かっている頃だった
「……あ…次ハルだ…。」
ハルは100m走に
出ることになっていた
内側から2列目のコースで軽く
ジャンプしているハルを見付けた
「落ち着いてるなぁ…。
ハル頑張れ〜!」
ピストルの音と共に
一斉に走り出した
自ら運動が得意と
言っていただけのことはあり、
なかなかの足の速さだった
対戦相手をぐんぐんと
追い抜いていた
「凄いなぁ…。
これならいけるよ!!」
結果僅差ではあったもののハルは
1位を勝ち取ることが出来た
やがて涼しい顔でクラスの
待機場所に戻ってきた
「お疲れ様!凄かったね!」
「1人かなり足速い人
いて焦ったけどね〜。
でも何とかなった!」
嬉しそうに言うハルを見て
ナギは誇らしく思った