泡沫-ウタカタ-




「納得出来ないんだけど〜。」



「………?」



ナギとハルは同時に振り向いた




「あの…先生…!
私さっきの結果可笑しいと
思うんですけど…。」




今度は2人で顔を見合わせた




「……あの人…ハルと同じくらい
足速かった人だよね…?」



「…そうだね…。何だろう…?」



「何であの人が1位なんですか!?
絶対同時にゴールしてました!!
だからもう1回勝負
するべきだと思います!!」



「……!?」



「あ…あのね平沢さん…。
もう終わってしまったことだし
先生もちゃんと判断して
決めた順位なのよ?」



「何で!?こんなの狡いよ!!
1人だけの判断で結果
出すなんて可笑しい!!」




ナギは聞いていられなくなり、
平沢に詰め寄った




「ちょっと何なの?
終わったことにいちゃもん
付けないでくれない?
微妙な差ではあったけど
ハルの方が速かったよ!
子どもじゃないんだから
素直に認めなさいよ!」



「ナギ…!」



「だって…私今までいつも
1番だったから…。」



「はぁ?だから今回も
1番じゃないと駄目なの?
貴女って本当に迷惑な人ね!
もう次の競技始まるんだから
引っ込んでなさいよ!!
ハルを困らせたら
私許さないからね!?」



「ナギ…もういいよ…。」




平沢はナギの強い目付きに
圧倒されて自分のクラスの
方へと戻っていった
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