泡沫-ウタカタ-
やがてついにラストの
競技となった
「いよいよ男子のリレーだね!」
「これで逆転出来るといいよね!
皆近くまで行ってるよ。
私たちも行こう?」
「そうだね。」
ナギは出場選手を見返した
予想はしていたが、
ダイは1年のアンカーだった
「運動神経
いいんだろうなぁ…。」
「何?三鷹?」
「うん。スポーツ推薦で
入ってる人はやっぱり
凄いんだよね。」
「何か次元が違う
感じになるよね。」
第一レースの選手は
立ち上がり、位置に付いた
間も無くピストルの音が聞こえ、
選手は一斉に走り出した
初めのうちは互角だったものの
交代する度にそれぞれで
差が付き始めた
「…あぁ…3組やっぱり
強いよ…。2組頑張って〜!」
そのまま差は縮まらないまま
1年のアンカーに
順番が回ってきた
ナギは自然に視線を
ダイへと向けていた
ダイが走っている間の眼差しは
今までに見たことが無い程
真剣そのものだった
「……かっこいい…。」
ナギは驚いて振り向いた
そこにはダイを見詰める
ハルの姿があった