泡沫-ウタカタ-



「………ハル…?」



「………ん?」




振り返ったハルにナギは
何と言葉を掛けるか迷った




「どうしたのナギ?」



「あ…いや…。」



「……あ〜凄い!!三鷹が
どんどん差詰めてるよ!!」




ハルの声でナギはダイの
方へと視線を走らせた




ダイはナギの想像
以上に足が早く、
徐々に差が詰まってきていた




「凄い…。」



「伊達に推薦で来てないね!
このまま抜かしちゃえば
勝てるよ!」




ハルは嬉しそうに
飛び跳ねていたが、
ナギはそんなハルの
様子が少し気に掛かった




「…あ…もうちょっと…!
頑張れー!!」



ダイたちがゴールし、
2年生に引き継ぐ頃には
1mも差が無くなっていた




「三鷹凄いね!
あんなに足速いんだ〜!」


「うん…。」






































結局後一歩の所で
抜かすことは叶わず、
ナギたちのクラスは優勝を逃した




「あ〜残念!
もうちょっとだったのにな〜!」



「だよねぇ…。でも皆
頑張ったから仕方無いよ!」



「そうだね!
また来年頑張ろっか!」




ハルはある方向をジッと見ていた
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