泡沫-ウタカタ-
それから数日が経過し、
生徒たちも漸く生活に
慣れてきた頃だった
「ねぇアンケート集めた?」
「アンケート…?
………あ……ごめんまだ…。」
「ちょっ…もう何やってんの!
先生怒ってるんだからね!
うちのクラスはいっつも
プリント類の提出が遅いって!
三鷹のせいじゃん!!」
「ごめん…。」
「あんた何で学級委員に
なんてなったの!?
毎回足引っ張って…。」
「……別に俺の勝手だろ…。」
「なるのは勝手だけど仕事は
ちゃんとやってくれなきゃ
こっちが迷惑なんですけど!!」
「……大変だねぇナギは…。
三鷹が相手だからね…。」
「他人事だと思って…。
そう思うんなら手伝って
くれてもいいじゃん!」
「だって私学級委員じゃないし。
立候補したのはナギだよ?
責任持ってやんなきゃ〜。」
「今まさに全然責任感を
持ってない男がここに
いるんだけど…。」
「まぁまぁ瀬川!
ダイにそんなカリカリ
しても仕方無いって!
こいつ頭の中バスケの
ことだけだから。」
「もう!!」
ナギは仕事に対して不真面目な
ダイに常に文句をぶつけていた
余りに毎度のことなので
クラスメートは一種の
名物のように思っている
単なる提出物管理などは
まだ良いのだが、
ナギが不安に思っているのは
行事関連の生徒管理である
こればかりは連絡事項が
非常に多くお互いが十分に把握
していなければ伝え切れない
流石にナギ1人で
抱え切れることではない
「……三鷹…。
お願いだから5月の交流会とか
6月の体育祭とか兎に角
行事の管理はちゃんとやってね?
私だって女子の
管理で手一杯なの。
男子の管理は三鷹が
やってくれないと困る。
分かった?」
「……そんな訴えられてもな…。
俺だって別に…。」
「じゃあどうしたらいい?
どうしたらちゃんと
やってくれる?
三鷹が委員の仕事に
集中出来るためなら
私は何でも力になるよ!」
「ちょっ…ナギ!?」
突然の発言にダイも
クラスメートも目を丸くした