泡沫-ウタカタ-



「……あ…ありがとな…。」



「……え…。」



「……放課後時間
割いて教えてくれて。
瀬川の教え方分り易いから
何か…上手くいきそうだよ…。」



「本当に?何か改まって
言われると恥ずかしいな…。//」



「……教えてやろうか?」



「……え?」



「どうして俺が学級委員に
なったのか…。」




突然真剣な表情になったため
ナギは少し動揺した




「…うん…教えて欲しい…。」




ダイは少し黙っていたが、
やがて口を開いた




「……瀬川のことが
好きだから…。」




ナギは一瞬きょとんとした




「………へ?」



「…本当だからな。
……お前入学式の日
新入生代表で挨拶したよな?
偶々それでお前のこと
知ったんだけどさ…。」




ナギは何も言えなかった




「……お前は覚えてないか。
俺その日ボールペン
置いてきちゃってさ…。
母さんも持ってきてないって
言うし結構困ってたんだよ。
その時貸してくれたのが
お前なんだよ。」



「……え〜っと……あ…。
そういえば貸したね…。
緊張してたから周りの
様子がいつもより
はっきり見えちゃってさ。
三鷹が困ってたのも
分かったんだよ。」



「……俺あの時
スゲー嬉しくてさ…。
どんな人なのかなって
知りたかったから…結構
お前のこと見てたんだ…。
まぁでもやっぱり俺には
学級委員は向いてないしお前に
とっては迷惑な話だよな。」




少し困ったように笑った
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