【仮】首輪を,キミに。
不慣れなドライヤーでストレートな髪を毛先だけ巻き,パステルカラーのシュシュでポニテしながら,じっ…と透の事を見つめる。
その目線に気付いたのか透は
『どした?』
と首を傾げた。
あの時の怪我は幸い,右腕骨折だけで済んだ。
『透…ごめんね。』
あの時の事を思い出すたびに罪悪感が沸き上がる。
『何が?』
『あの時のこと。その本当に…あたしの所為で…』
『…………』
透は苦い表情をする。
『謝らなくていいよ。世憂姉は悪くないからさ。それに世憂姉を守るのは俺の役目だろ?姉弟なんだから』
『?』
守る?
あたしを?
なんで?
いくら姉弟だからってその役目は背負わなくていいんじゃないだろうか。
あたしが頭をハテナマークで埋めつくしているのを見て,透はニコニコと笑っていた。