【仮】首輪を,キミに。
『……何?ヤマト』
ヘッドフォンを外し,出来る限り面倒臭そうに溜め息をつく。
すると,ヤマト(正式名:山崎 漣翔)は分かりやすく嫌な顔をした。
『いや,ただ見つけただけだけど。あからさまに嫌な顔すんなよなー』
僕だって傷付くから,と大して凹んだ様子のない笑顔で言われる。
『ったく。…俺は急いでんの。用が無いなら行っていい?』
こういう時はテキトーにあしらうのが最善だ。
俺はヤマトを無表情で見つめる。