【仮】首輪を,キミに。

『なぁ,世憂姉。』

窓を開けようと伸ばした腕ごと,世憂姉を抱き締める。

『…………世憂姉は,俺のこと嫌い?』

耳元で囁くと,びくりと世憂姉の身体が跳ねた。

なんだかその反応は拒絶されたみたいに感じて少し凹む。

『なわけないよ。私は透のこと,大好きだもん。…なんで?』

しかし,すぐ俺の気持ちは舞い上がった。

【大好き】

嬉し過ぎる。

『一応確認しただけ。



…ずっと?



ずっと,好きでいてくれる?』



なんだか,嬉しい感情と同じだけ不安も沸き上がる。

俺等の愛は【ずっと】じゃなきゃいけないから。



< 48 / 120 >

この作品をシェア

pagetop