【仮】首輪を,キミに。
『なぁ,世憂姉。』
窓を開けようと伸ばした腕ごと,世憂姉を抱き締める。
『…………世憂姉は,俺のこと嫌い?』
耳元で囁くと,びくりと世憂姉の身体が跳ねた。
なんだかその反応は拒絶されたみたいに感じて少し凹む。
『なわけないよ。私は透のこと,大好きだもん。…なんで?』
しかし,すぐ俺の気持ちは舞い上がった。
【大好き】
嬉し過ぎる。
『一応確認しただけ。
…ずっと?
ずっと,好きでいてくれる?』
なんだか,嬉しい感情と同じだけ不安も沸き上がる。
俺等の愛は【ずっと】じゃなきゃいけないから。