過去と未来

すっと障子を開けると
お爺ちゃんが座っていて
その前に座った。
座るといきなり思ってもいないことを言われた。

「お前はこれから黒雲学園に転校することになった。準備しておくように。」

私は信じられなかった。
行きたいと望んでいた学校に行く許可を貰ったのだから。
なぜか今までは転校することを認めてくれなかった。
黒雲学園は裏に黒龍会がついていて兄貴もこの学校に通っていた。
兄貴の見た風景を自分の目で見たかった。
この日が来るのを待っていた。

『お爺ちゃんありがとう!!』
がばっと抱きついた私に,お爺ちゃんは冷静に言う。
「兄貴と同じ道に進むな。自分の道を歩け。」

この言葉の本当の意味を知るのはもっと先になる…

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