過去と未来
男の拳を左手で受け止め,そのまま右足の膝で腹をおもいっきり蹴りあげてやったら一発で倒れ逃げて行った。
『結構弱い男…』
ぼそっと言ったあとくるっと向きを変えて泣いている女の子に話しかけた。
『大丈夫?恐かったよね。もう大丈夫だから安心してね』
とびきりの笑顔で言うとその子は
「ありがとうございました。私,佐々木美樹って言います。どうしてそんなに強いんですか?」
質問されて戸惑った。
やくざの娘だからだよ。
なんて言えるわけないし…悩んで言った言葉は
『昔,柔道習ってて…』
だった。
不思議そうな顔をしてたけど納得してくれてそのまま私にもう一度お礼を言って帰って行った。