―MESSIAS―
「真美ちゃんだよね?」
「あっはい」
急に名前を呼ばれ、すこし驚いていた。
多分、誉のようなヒトとは縁のない生活だったんだろ
とそんな事を思っていた。
「さっきのさ、自信がないって?」
真美はうつむきながら
「誉くんに言い寄る子は、みんな可愛くて綺麗で、スタイルも良くて、今時残って感じなんです。誉くんも楽しそうに喋ってるし」
真美が言い終わると、咲夜は鋭く誉を睨んで
「誉が原因なんじゃん」
「はぁーわけわかんねぇ」
「あんたこそわけわかんねぇーよ。だいたいね、誉にこの子は勿体無すぎる」
「んだと」
「そのまんま、真美ちゃんはと誉じゃ天と地の差だよ。もっと言うなら天国と地獄の差だね」
次々に誉に中傷的なことを言う咲夜を、真美は黙って見ていた。
「言いたい放題じゃんかよ」
終いには誉はふてくされてしまった。