シブヤクーロン
タカが連れて来てくれたのは、小さな居酒屋だった。
ホスト風の男にキャバクラに連れて行かれ変身させられたのに、ちょっと期待外れ。
席に着くとお通しより先に奴のボトルが出され、ぁたしは何を飲もうかとメニューに手を伸ばしたが、
「あとカルピスね。」
って注文してくれた。さすが♪って感激して一口飲んだけど、なんか甘い。
カルピスサワーじゃなくて、カルピスなの。
「お酒じゃないんだ‥‥」
「未成年が何言ってんだよ。それより、終電の時間過ぎても焦らないってことは、あれだよな。」
あれって、あれだよな。あれあれ。
「ま、まぁ‥」
「とりあえず今日は俺んちでいい?」
「今日は、って‥あの‥」
ここまでまともに話をしていないのに、家出娘ってことで言ってんだろうけど‥
ぇ?
さっきからなんだろう。話が早すぎる。