シブヤクーロン
 
 なんだか眠くなったなあとは思ってたけど、気付いたらあたしはベッドで寝ていた。


え?‥
本当にタカという男の家に来ちゃったんだ‥
覚えてない
しかももう朝だよ‥


いつ、どうやってどんな薬を飲まされたんだろう。
まだ少しぼーっとするけど、とにかくここを出よう。

枕元にお水が置いてあるけど、飲まないほうがいいよね、きっと。



 寝室のドアを開けると、廊下にはいくつものドアがあった。
広いおうちなんだ。

どの部屋にあいつはいるんだろう。


気付かれないように、静かに足早に歩かないと。




と、そのとき、

「お?」




近くのドアから奴が顔を出した。

しまった‥


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