シブヤクーロン
虜
“今日はちゃんと食えよ~”
2日目の朝、そんな置き手紙があった。
昨日帰って来なかったというか会ってないのに、いつの間にかご飯が用意されていた。
昨日も今日も、奴は8時前に家を出ている。ホストみたいな容姿で朝からする仕事ってあるんだろうか。
留守中に知らない女を家にあげて平気なんだろうか。
ぁたしはまぁ、快適だ。部屋は自由に使えるし、鍵と十分なお金も置いてってくれる。
昨日は一歩も外に出ず、1日ゴロゴロしていた。
だって窓の外は高級住宅街でつまんなそうだし、ここがどこなのか分からない。
長旅のツケはまだ相変わらずで体調は良くないし、久しぶりに家の中で過ごすのが楽しくてたまらない。
朝はホテルのようなご飯食べて、昼はだらだら、夜に一度タカからの電話を適当に受ける。
そんな日々を一週間続けた。