シブヤクーロン
外では真っ黒な車があたしを待っていた。
中にはどの筋?みたいなイカツイおじさんがいる。
あたしが躊躇う隙もなく、美麗さんに押し込まれた。
「あの、どこ行くんですか?」
運転手の怖いおじさんには、あえて挨拶もなんもしなかった。
不安なことは、美麗さんに聞く。
「ぁたしんちね、渋谷の。」
ああ、逆戻りか。
ちょっとブルーだ。
「このお兄ちゃん、こんなんだけどやさしいわよ。一緒に住んでるんだ。」
「安田です。よろしく。」
「吉川です‥すいません‥お世話になります。」
ミラー越しに挨拶したんだけど、この安田さんが事件に絡んでるんじゃないかって思ってしまう。
耐えがたい密室の恐怖感。
実は美麗さんもそっちの人?
二人とも、帰ってゆっくり話そうって、タカの話には一切触れない。
美麗さんは、またまた黙ってびくびくしてるぁたしの手を、ずっと握りながら肩をさすってくれた。
美麗さんのやさしさは、なんか企んでるように見えてきたよ。
着いたらすぐ逃げようかな。
殺人の詳細を知ってるみたいなんだもん。
ぁたしに聞かせて拉致でも、それとも‥‥‥‥。。
神様、フラフラしたりしてごめんなさい。
助けて!