シブヤクーロン
 
「あのさぁ、神田さん。」
 
「ん?あ、同い年なんだし、さんいらなくない?ちなみにあたし神田依子。吉川ちゃんの下の名前は?」
 
「百合子よ。ぁたしもゆりでいいよ。」
 
「おっけ。で、ゆりちゃんなぁに?」
 
「美麗さん‥智子さん?あの人もそういうの関わってんの?」
 
「智子さんはしないよ。彼女も昔そうやって社長に拾われたんだ。初めは泡にまみれて働いてたけど、そこのスタッフが救ってくれて、キャバクラに転職出来たんだって。あ、聞いてなかったら内緒にしてね。」



 それが安田なんだな、きっと。
 
 そんなヘビーな話をしていたら、電話が鳴った。
三回鳴らして一旦切る。それを二回した後また鳴ったら出てと美麗さんに言われていた。 



「もしもし?美麗さん?」

”うん。今日仕事行くのやめたから、今から出てこない?”



 突然食事に誘われた。
依子ちゃんからあんな話を聞いたあとで、どんな顔をしたらいいか分からない。

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