シブヤクーロン
 
 あたしはしばらく会話に入れなかったが、美麗さんが気がついて色々話を振ってくれた。


少し打ち解けてきたところで、家出の理由を聞かれた。
ちゅーちょしていたら、警察になんか突きださないからと笑ってる。


家出
 
ただ親がうるさくて。それだけ。
一晩夜遊びしてやろうと思ったら、帰れなくなった。
それだけ。



「どいつもこいつも、依子もゆりちゃんも。全くぅ。」



美麗さんはお酒を飲みながら呆れたように笑う。


ぁたしと依子ちゃんがいいじゃんね~なんてへらへらしてたら、彼女はきゅーに真顔で言った。



「帰る気ないなら、そろそろちゃんと働かなきゃね。安田に頼んであるから。」

「えっ!キャバクラ?ピン●ロ?!」



‥依子はピン●ロって言ったときに目を輝かせた。
どんだけ馬鹿なんだ(笑)



「あの人はタカと違うの。可愛げな女の子を売ったりしないの。」



そう言った美麗さんは依子ちゃんの頭を撫でた。



「どんな仕事なんですか?」



あいつみたいに売られなくても、まともな仕事ではないのは分かってる。


与えられる仕事は、ラブホテルの清掃だった。



「ゆりちゃん‥もしかして行ったこともない?」



 美麗さんは心配してくれるけど、そんなことはない。
ここに来るまで、親父たちからお金をもらっていたんだから。


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