シブヤクーロン
 
「ゆりちゃん、家出するような子に見えないんだけどなぁ。心配だから、依子と一緒に面倒見てもらうように頼んだから。依子、よろしくね。」
 
「はぁい‥給料安そう‥」



 美麗さんは本当に気づいてくれる人で、とにかくいつも心配してくれていた。

依子が席を立ったとき、隣に来てこう言った。



「あたしも10代で家を出て、ゆりちゃんみたいに毎日不安だったわよ。依子、図太くて尊敬する(笑)」
 
「あはは‥」

「でも、依子みたいに図太く生きなきゃ、帰るまでもたないよ。いつかは帰るんだから。」



 こうして、いよいよ正式な家出生活が始まった。


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