シブヤクーロン
出発
 
 新居の場所も新しい仕事も、車に乗ってから聞かされた。


家は目黒。
職場は六本木。

そう聞いただけで、なんの仕事か分かる。



「やったぁ!ついにぁたしホステス~」



依子は大はしゃぎ。
空元気なんかでない。
、、、さっきまで青ざめてたのに、、、。 



「いつからですか?」

「2、3日中には連絡あると思うから、そしたらすぐ。」

「あの‥ホテルの仕事が‥」

「俺から話しとくよ。」

「おっちゃん顔広いから素敵!」



 これで、落ち着けるのだろうか。
この数ヶ月、色んな事に巻き込まれた。
やっぱり日替わりのおっさんに世話になってたほうが気楽だったんじゃないかって、思い返しちゃう。


 そっちに戻るか実家にるか、今が決めどき?
これで落ち着くか、さらにさらにいばらの道へ?



「ゆり、そろそろ家に帰ったほうがいいんぢゃない?」

「は?え?!」

「やっぱりゆりは良い子なんだよ。たった数ヶ月でこんだけの事があってさ、びびってんでしょ?‥あ、ごめん‥いや‥」


< 44 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop