シブヤクーロン
「じゃあ‥すみません。よろしくお願いします。」
「オーナーにはゆりちゃんが働いてたことにしとくから。あんたのタイムカード押しとくよ。」
「いや、そんな‥」
「あんた訳有りでしょ?そんな若いのにわざわざこんなとこで働いて。」
なんだか全て知ってるような感じだったなぁ。
親切にされても逆にこわいくらい。
でも早く帰らなきゃ。依子の体も心も心配。
昨日の安田の話を聞いて、また思い出してるかも知れない。
「ただいま‥」
「あれっ?!あ、あたしの穴‥」
「おせんべおばちゃんがやってくれてる。なんか知ってるみたいでさぁ、みょーに優しくってねぇ。」
「まあ普通に考えたら、ラブホで働くの親が許すわけないしねん。」
「えっ、じゃあぁたしたち家出娘って知ってんのかなあ?!」
「そうじゃないの~」
それより、朝から寝込んでたはずの依子が、ぴんぴんしている。
「てゆうか、あんた元気じゃね?」
「そら元気にもなるさあ。面接明日だってさっ!」