シブヤクーロン
「あの‥あたし働くんですか?」
「あはっ。じゅー‥七歳?の子はだめよ。タカがさぁ、飲みに行くからあなたを一人前の女に仕立てってさ。あ、お名前は?あたしは美麗よ。」
「吉川です‥吉川百合子。」
これまでの生活で使ってる偽名だ。
「ゆりちゃんね。ゆりちゃん、派手なお化粧にお洋服は逆に歳バレバレよ。ほら。このくらいでじゅーぶん。」
美麗さんが出してくれたのは、シンプルな紺のワンピース。
白い襟がついてて、ボックスプリーツで清楚な感じ。
遠慮なく着替えさせてもらうと、最後にベルトをしめてくれた。
「ちゃんとご馳走してもらってんだ。女の特権だね。あはっ。」
美麗さんがいつも閉める位置より、前だったみたい(笑)あたし。
「あはは。あたしデブですね。」
「やっと笑ったぁ。ぢゃあお化粧直そうね。」
美麗さんケバい格好してるけど、とてもやさしい。
ホステスさんには全然見えない。