シブヤクーロン

 お化粧中は黙ってね、だって。
人にしたことないからって。


てきぱきとしてもらった仕上がりは、やっぱり地味。だけどちゃんと仕込んだ上でのシンプル感。


さすが、だなぁ。
いつもと違う鏡の中にうっとりしていると、満足そうな顔した男がフレームイン。



「おっ、姫っ。これなら一緒に飲めるな。普段の美麗みたいじゃん。ちぅか、こいつの服煙草くさいだろ。」
 
「え、これ美麗さんの私服ですか?」
 
「うん。いいわよ。あげる。」
 
「え、でも‥」
 
「もらっとけ。」
 
「す、すいません…ありがとうございます…」 
 
 
 
 どうやらガキ 丸出しのあたしと飲みたくなかったらしい‥
それで美麗さんにちょっと大人にしてもらって、タカと出かけた。

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