初めては幼なじみ(涼サイド)~ずっと離さない~
「こちらへどうぞ」
案内された場所は待合室とは別の六畳ほどの講義室みたいな場所。
そこには、すでに沙都がパイプ椅子に腰かけていた。
沙都の前には中年の看護師さん。
俺が中へ入るなり、ギロリと睨まれた。
「はい。君。こっちに来てここに座って」
はっきりした口調で、俺をパイプ椅子へと促した。
「えーと。二人共まだ、高校生ね」
「はい」
そう頷いた沙都の横顔は、さっきまでの死にそうな顔とは違い、どこかハツラツとしていた。
「妊娠の可能性はかなり少ないですが……いいですか?少し、お二人に講義を受けて貰います」
そう言い出したその女性の胸元には助産師と書かれていた。