センセイ、好きです。
セイの正体
春休みが明け、私は2年生になった。
全クラスの名簿と各担任の名前が書かれたプリントをもらい、私と柚月は喋りながら新しいクラスへと向かう。
2人共2年1組で柚月の他に仲がいい友達が何人かいた。男子も学年の中でノリがいい奴が集まってて楽しい1年になりそうだと思っていた。
私たちに気付いた南ユカが嬉しそうに話しかけて来た。
「1組の担任、若い男らしいの!」
「へーそうなんだ」
特に気を止めることなく適当に答えたら、ユカは気に入らなかったのか聞いてもない情報をバンバン教えてくれた。
「松本聖(マツモト セイ)っていってね、教師になってまだ2年目のイケメンでね、錦戸竜に似てるらしいのーっ。しかも担当教科、英語だよっ!」
ユカの担任に関する情報なんて聞く気なかったのに
「…竜ちゃんに似てる?」
しかも聖って言った。
セイが聖なのかは分からないけど、竜ちゃんに似てる聖って…
「おっ、竜ちゃんファンの聖花は気になる感じですかーぁ?」
ある意味、気になるよそりゃ。
柚月も何か勘付いたのか、不敵な笑みで
「やっぱ、面白いことになりそうだね」と言った。