センセイ、好きです。
「はい、HR終了。それと明日課題考査あるからなー。木本、お前は残っておけよ」
周りからは何で聖花だけー?という不満な声があがる。
私は残りたくないってのに。
セイが手招きをしたから、私は帰りの準備をしてセイの後について行く。
どこに行くのだろうと思っていたら、この時間は誰も使っていない選択教室だった。
セイは机の上に座り、私に椅子に座るよう促した。
ちょうど向かい合う形になるように。
「久しぶり、聖花ちゃん」
「…セイ?」
「うん、そう。俺のこと覚えててくれてたんだ?」
「当たり前でしょ。見ず知らずのイケメンに名前知られてるのに、自分の名前はセイとしか教えてくれないんだもの。それより、セイどういうこと」
余裕たっぷりなセイとは対照的に、私は不機嫌な態度で聞いた。
「イケメンってやっぱ思ってたんじゃん」
しまった。と思ったけどもう遅い。
てか、自覚持ってるとこがまたムカつく。
「その時は、ね。何で担任?何で私の名前知ってたの?」
「俺、英語教師になりたかったから。聖花ちゃんの担任になったのはたまたま。この高校にいることは知ってたけど。名前のことはまだ教えない」