妄毒シチュー
「いいじゃん。自分が掃除したいって言ったんでしょ?」
「まぁ、そうなんだけどさぁ」
「それより、最近やたら暑いよねぇ。やっぱり地球温暖化なのかなぁ」
文句を言われたのにまったく反省もせずビールを飲みながら窓枠から動こうとしないあたしに、
「そーですね。温暖化ですね」
と、適当な相づちをうちながら諦めたように掃除を続ける。
その姿を横目で見ながら考える。
一体なんなんだろう、この人は。
タチの悪いイタズラか、それとも新手のサギか。
掃除が終わった後で、清掃代金を払えとか言うのかな。
自称天使の美少年に、高額の請求書を突き付けられる様子を想像して
バカらしくなった。