妄毒シチュー
サギならもっと効率のいいやり方があるはず。
わざわざ『天使です』なんて怪しい事を言うわけない。
じゃあ、この自称天使の目的は一体なんなんだろう。
「あー、もうなんでもいいや。部屋が片付くなら」
彼氏にフラれ最高に投げやりな気分のあたしは、考えるのも面倒くさくなって、握っていた缶ビールを一気に飲み干した。
「なにがなんでもいいって?」
「んー、なんでもない。それよりさ、あんた天使なんでしょ?
なんでも願い事叶えられるの?」
なんでも願いを叶えられるなんて、サンタを信じる子供じゃあるまいし。
そんな事できるわけがないと知りつつ、意地悪な気持ちで聞いてみた。