妄毒シチュー

「マジで?」


大きな二重の瞳をさらに大きく見開いて、シチューの入ったお皿とあたしの顔を見比べる。

その様子が面白くて、あたしは勿体ぶるように4本目のビールをゆっくり飲み干して、神妙な顔で頷いてみせた。



「それってヤバイ毒?俺死んじゃう?」

毒入りだっていうのに、スプーンの上に乗った大きなジャガイモを名残惜しそうに見ながら呟く表情が可愛くて

耐えきれずに吹き出した。




「ごめん。うそ」

< 28 / 122 >

この作品をシェア

pagetop