妄毒シチュー
キスの直前の、思いきりいい雰囲気をぶち壊したあたしの唐突な我が儘に、彼は面倒くさそうに立ち上がりながら、近くの床に落ちていた写真を拾う。
そして、
その写真をコータの荷物でいっぱいになった半透明のゴミ袋の一番上にそっと入れた。
あ、写真が……
真っ赤な顔で床にへたりこんだままのあたしの顔を、自称天使がチラリと振り返り明るく笑った。
「じゃあお酒買ってくるけど、なんでもいいよね?
俺の好みで買ってくるから」
「……うん」