妄毒シチュー

昨日、コータにフラれて家に帰る途中


それまでの記憶や思いを切り捨ててしまいたくて、衝動的に飛び込んだ閉店間際の美容室。

美容師さんに髪を切ってもらいながら、コータにフラれたグチをぶちまけていた。

その時

目の前の鏡に写っていた、閉店準備をするアシスタントの男の子。
すらりと背の高い、緩いパーマの茶色の髪。

それは、
今あたしの隣でワインを飲んでいるニセ天使とそっくり同じ。

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