妄毒シチュー
「……だって。
あたし、コータと付き合ってたのに」
酷く酔っ払った上に、泣きながらしゃべっているもんだから
自分でも情けないくらいものすごくまぬけなしゃべり方だった。
なのに、ニセ天使は少しも笑わず優しく頷きながら静かに聞いていてくれた。
「……付き合ってたのに。
これからもずっと、付き合っていくと思ってたのに」
別に約束なんかしてないけど、いつかはこのまま結婚するんだろうな、とかぼんやりと考えてたのに。
好きだってコータは滅多に言わないけど。
でも、誕生日やクリスマスにはプレゼントと一緒に照れくさそうに、ミナが好きだって言ってたのに。