天使のような笑顔で
「とりあえず、次に会えるのは始業式だから。じゃあ、またその時に」


安以の返答も聞かないまま、俺は勝手に通話を終わらせてしまっていた。


随分と自分勝手な事をしてるっていうのは、自分でもよく分かってる。


だけどさ。

会ってしまったら…そこで終わりになってしまいそうで。


正直、怖いんだよ。


このまま、俺が会う事を拒否していけば。

始業式までは、安以がいてくれるような気がするんだ。


自分でもバカみたいだって思うけど。

今の俺は、現実から逃げる事で精一杯なんだよ。


「ごめんな、安以」


通話の切れた携帯に向かい、小声でそう謝ってみた。


「こんな奴が彼氏で、ホントごめんな」
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