天使のような笑顔で
残された時間……。
頭のどこかで、安以がいなくなってしまうという事は理解している。
なのに、俺はそれを認めたくなくて逃げてばかりで。
どうせ別れなくちゃいけないのなら、和也が言う通り“残された時間”を大事にしなくちゃいけないんじゃないか……?
「電話…かけてくるよ」
思い立った俺は、そう口にするとすぐに生徒会室を飛び出した。
「頑張れよっ」
背中越しに和也の声を聞きながら、軽く右手を上に挙げて見せ。
そのまま、体育館横の部室へと足を向かわせる。
もう、逃げるのはよそう。
安以とちゃんと話をして、ドイツへ行くまでの間にたくさん思い出を作ろう。
そう心に決めながら廊下を駆け抜け、体育館の前を横切ろうとした時だった。
「安以……?」
体育館の入口に…制服姿の安以が立っていた。
何かを探すように、扉の陰から中を窺っている。
突然の再会に驚いたものの、俺はこれを運命だと感じていた。
俺と安以がちゃんと話をする為に、神様が会わせてくれたんだって。
逸る気持ちを唾を飲み込む事で抑え込み。
俺は、安以の元へとゆっくり歩き出した。
頭のどこかで、安以がいなくなってしまうという事は理解している。
なのに、俺はそれを認めたくなくて逃げてばかりで。
どうせ別れなくちゃいけないのなら、和也が言う通り“残された時間”を大事にしなくちゃいけないんじゃないか……?
「電話…かけてくるよ」
思い立った俺は、そう口にするとすぐに生徒会室を飛び出した。
「頑張れよっ」
背中越しに和也の声を聞きながら、軽く右手を上に挙げて見せ。
そのまま、体育館横の部室へと足を向かわせる。
もう、逃げるのはよそう。
安以とちゃんと話をして、ドイツへ行くまでの間にたくさん思い出を作ろう。
そう心に決めながら廊下を駆け抜け、体育館の前を横切ろうとした時だった。
「安以……?」
体育館の入口に…制服姿の安以が立っていた。
何かを探すように、扉の陰から中を窺っている。
突然の再会に驚いたものの、俺はこれを運命だと感じていた。
俺と安以がちゃんと話をする為に、神様が会わせてくれたんだって。
逸る気持ちを唾を飲み込む事で抑え込み。
俺は、安以の元へとゆっくり歩き出した。