天使のような笑顔で
「バスケ部の腕力、バカにしてる?大丈夫、絶対潰れたりしないから」


「し、知りませんよっ?」


「大丈夫。ほら、おいで?」


どうしようかと、躊躇っていた彼女だったけれど。

腹をくくったらしく、


「い、行きますっっ」


と言って、目をぎゅっと瞑ると。

俺の方に体を向けて、木から体を離した。


絶対、受け止めるっ。


彼女の真下に体をもって行き、目一杯に腕を広げた。


ドサッ


さっきの猫よりは、格段に重い衝撃。

俺は、踏ん張って踏ん張って…結局、尻もちをついてしまった。


「だ、大丈夫ですかっ?」


受け止めはしたものの。

結果的には、仰向けに倒れた俺の腹の上を彼女が跨ぐ格好になっていて。


「……カッコ悪っ」


もっとこう、お姫様抱っこみたいに彼女を受け止めるはずだったのに。


尻もちついて、倒れこんでるなんて。

俺って、ホントカッコ悪い……。
< 22 / 123 >

この作品をシェア

pagetop