天使のような笑顔で
さ、桜庭さんっ!?


思わず、耳を疑ってしまった。

だけど、この声は確かに彼女かもしれない……。


いつの間に、そんな関係になってたんだよ!?

しかも、こんなトコで……。


もう、何が何だか分からない。

とりあえず、そっと扉を戻して俺は足早に保健室から離れた。


島崎先生の事が好きな、彼女。

他に好きな人がいると言っていた、島崎先生。


どうして、そんな2人があんな事を?

遊び…って事か?


そう、考えるしかなかった。

先生の事を好きな彼女の気持ちを利用して、先生は遊びで彼女を抱いてるんだ。


「……んだよそれっ!」


無性に腹が立って、俺は近くに置いてあったポリバケツを思い切り蹴飛ばした。


バコーン


思いの外吹っ飛んだそれは、ちょっと前を歩いていた女子生徒の足元へとダイレクトにぶつかってしまった。


「痛っ!」


そう声を上げると、その彼女はつまづいて廊下に倒れてしまった。
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