天使のような笑顔で
彼女をそっとベッドに下ろすと、先生は彼女の左足の上履きを脱がせた。

紺の靴下の上から、そっと足首をつかんで動かす。


「痛っ」


曲げようとすると、彼女は顔をしかめて痛がった。

つかんでいる辺りをいろいろと触った後、


「軽い捻挫だな。今日は体育は?」


と言って立ち上がると、先生は薬品棚の方へと歩いて行った。


「今日は無いです」


「斉藤さんは帰宅部だよな?」


「あ、はい」


先生は、湿布を手にして戻って来た。


っていうか、誰が何部とかまで把握してるのか?この人は……。


感心を通り越して、何だか侮れなくて怖い。


「とりあえず今日は湿布しとくけど、痛みがひどくなったら病院に行きなさい」


彼女の左足の靴下をそっと下ろすと、湿布を患部に優しく貼った。


その仕草がやけにエロく見えるのは、俺がエロいって事なんだろうか?

靴下を戻す手つきが、何だか慣れてる感じがして。


「教室まで送って行ってやれよ、高崎」


「あっ、はいっ」


変な事を考えていたら突然名前を呼ばれ、ちょっと焦ってしまった。
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