天使のような笑顔で
「とにかく…次に安以に何かしたら、俺は女でも手を挙げるから。ファンクラブだろうが、関係ない」


リーダー格の彼女にそう言い、俺はまた安以の所に戻った。


「安以、保健室行こう。立てる?つかまって」


力の入らない彼女の体を支えながら、何とか立たせ。

肩を貸してやりながら、ゆっくりと歩き出した。


「悪いのは私らじゃないよ、そいつだからっ」


ギャルっぽい彼女は、俺らの姿を見ながらまだそんな事を言ってくる。


「彼女は、俺の親友だ。大切な、親友なんだ」


きっぱりと告げると。

俺はまた安以の体を支え、ゆっくりと歩みを進めた。


安以は意識が朦朧としてるのか、ほとんど力が入っていなくて。

俺に引きずられる格好になっている。


早く…保健室に。


あんなに行きたくなかった保健室。

だけど、今はとても遠くに感じて仕方ない。


彼女に何かあったら、俺はきっと許せないだろう。


好きな人をこんな目に遭わせてしまった、自分自身を……。
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