天使のような笑顔で
「私、勝手に思い上がってたんですよね。真吾君と親友になれただなんて」


そう言って作り笑いを浮かべている彼女に、俺はどう答えたらいいんだろうか?


「親友だよ」って言えばいいのか?

親友で居続けるのなんて、無理だって分かってるのに。


「ファンクラブまであるような真吾君を、来たばっかりの私が親友なんて呼んでたら…面白くないですもんね、きっと」


「関係無いよ、ファンクラブなんて」


「ダメですよっ、女の子にとってファンクラブに入るのは大事な事なんですからっ」


珍しく、叱るような顔を見せ。

ベッドに両手をついて、ゆっくりと上半身を起こし始めた。


「寝てなきゃダメだよ」


慌てて身体を支えようとしたけれど、彼女にキッと睨まれてしまい。

その表情に怯んでしまった俺は、結局彼女に手を貸す事はできなかった。


「ファンが集まって、みんなで協定を結ぶのって分かる気がしますよ。自分も抜け駆けしない代わりに、誰も抜け駆けをしない。安心…するんですよね、きっと」


「よく…分からないよ」


勝手にそんな協定結ばれても、俺は知らなかったわけだし。

しかも、そのせいで安以はこんな目に遭ってしまってるし。
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