天使のような笑顔で
安以はというと、俺の言葉の意味が分からないといった様子で。

首を傾げながら、じっと俺を見つめ返してくる。


「肩揉みなんて、嘘じゃないの？」


抑えきれない疑心暗鬼が、口から心無い言葉を吐き出していく。


「それとも…肩揉みのついでに違うトコロも揉まれたとか？」


「真吾君……？」


俺の異変に気付いた安以が、顔を強張らせながら俺の名を呼ぶ。

だけど今の俺は、理性をコントロールできなくなっていた。


「正直に言えばいいじゃん。ここで、先生に抱かれてましたって」


「なっ……。何言ってるんですかっ？」


「先生は大人だから、そりゃあ上手いだろうし。肩以外のトコロも気持ち良くしてもらったんだろ？」


「真吾君っ？だから、肩を揉んでもらっただけで……」


「どうせ、そうやって言えって先生に言われたんだろ？高崎が可哀想だから、２人の関係は秘密にしようって」


パンッッッ！


乾いた音が響いて、数秒後。

俺は…やっと、自分が安以に頬を叩かれたんだと気付いた。
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