猫に恋する物語
丁度いい。

私はそいつを両手で受け止め思いっきり放り投げ地面に力の限り叩きつけた。

「ぐはっ!!!」

男はまともに衝撃を受け、しばらくピクピクした後、失神した。



「「「「おぉーっっ!!」」」

周りから拍手の嵐が起こる。



「嬢ちゃんやるなぁ!」

「すごいわぁっ」

「外の世界の人はみんなそんなに強いのかぇ?」

「姉ちゃんかっこいい!!」



こんなに褒められたことがない私はどうしていいか分からずたじろいでしまう。

しかもさっきまで冷たかった街の人々が急に優しくなったのだから戸惑いは隠せない。

すると財布をすられた張本人である少女らしき人が私の前まで歩いてきた。

「あっありがとう。本当に助かったわ。
あなたすごいのね」


@いっいえ・・・。これくらいしか取り柄がないもので・・・。それでその・・・。私ついさっきまで嫌われてたんですけれども・・・。


一度住人たちに目をうつし、そしてまた少女にもどしながらそう言った。
その間私は少女に財布を渡す。

「私たちはね余所者を嫌うように昔からそう教え込まれているの。あなたは街の住人である私を救ってくれた。だからもう余所者じゃないのよ」


@はっはぁ。

よくわからないな・・・アホはやっぱり不便だ




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