猫に恋する物語
すっかり生活にも慣れ、あれから一変した住人たちともずいぶん仲良くなり、この世界が私たちにとって住みやすい居場所へと変貌してきた頃。


―ドンドンドン―。

ある日突然、けたたましい音が家中に鳴り響いた。

何事かと□は驚き、一人深呼吸をすると、思いっきり喧嘩腰でズシズシ音のほうに向かって歩きだした。

私はと言うとそんな□を観察するため後ろから気配を消してついて行く。

□誰だぁぁ!いたずら小僧だなっ!?とっちめてやる。かかってこんかぁーい!

□はドアを開けろくに前を見る様子もなくいきなり叫んだ。

おぉーいぃぃぃぃぃぃ! なんだその第一声は!
というか本当にいたずら小僧なのかっ!?
ちゃんと見たのか!? 確認したのかっ!?


私は心の中で盛大につっこむ。


まぁ、いつも通りの展開というかなんというか、とにかくいたずら小僧ではなかった。


□の前に立っていたのは鬼神のような形相をした大家さんだった。
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