猫に恋する物語
「なぁぁぁぁぁんであたしが女と手を握り合わなきゃいけないんだいっ?」

@すっすみませ・・・・

慌てて手を引っ込めようとした。のだが・・・。

恐れ多き大家様はガシッと手を掴んだままいっこうに離そうとしない。

えっ・・・?  何・・・・?


うあっぁなんで離してくれないのよっ・・・。

しばらく奮闘してみたのだが、やはり離れない。

私は涙目になりながら必死に手を引き離そうとする。

しかし、離れない。

どんだけ凄い握力なのよ!


そして手を握りあったまま会話は続行される

「大家が手を差し出したら家賃に決まってるだろう!」

@あっ!なるほど!
盛大に納得。というか今となっては思いつかなかったのが不思議なくらいだ。

「だいたい、なんなんだい?あんたたちは?挨拶も無しかい?あたしゃ今か今かと待ち構えているのに一週間たっても全く来る様子もないじないかっ!」

そういえば一回見かけたときにシルエットから大家だと教えられたきり話題に上がっていなかった。
したがって挨拶にも行っていない。


@えっ待ってたんですか?

「いや、待ってない。」


大家様即答。

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