猫に恋する物語
「シルエット。家賃回収日はまだだが、先月分も完全に払いきってないんだから今月はちゃんと払ってくれよ。じゃないとアタシは容赦なくあんたたちを追い出すからね。」
緊迫した空気が当たりを満たす。
笑いのツボにはまって抜け出せなかった私たちは一瞬にしてシルエットの不安げな顔をとらえた。
これまでもギリギリで切り詰めた生活をしていたのに私たちが来てから余計にきつくなったに違いない。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
シルエットは元気を装った声で
「任せてください!」と言っていた。
□と私は、その声をただ聞いていることしかできなかった。