猫に恋する物語
だけどね。私はここで生まれ育っていない。


それは変わることのない事実。

ここの考えに従うべきだとシルエットは思うかもしれない。


そう思ったからこそ私たちに街の裏の顔を話してくれたのかもしれない。


でも人の優しさを知っている私は、どうしても良い方向に導く方法を考えずにはいられないの。


わかる?シルエット。


私は変えたいと思ったんだよ。


この町を。


この町の人々を。


この町の人々が見捨ててきた人間を私が助ける。


そしてその助けられた人間はほかの人を助ける。
助けられる喜びを感じて、助けることの喜びを知ってほしい。

今言っていることは、なまっちょろい世界で生きてきた考えなしで脳なしで本当の苦労を知らない女の言葉だけれど、綺麗事にしか聞こえないだろうけれど、それでも私はそう思ったんだ。 


思ったんだよ。

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