猫に恋する物語
―数分後―

真剣に洗い始めた私を見たのか何となく猫も沈黙していたのだが・・・。

@ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
私がいきなり叫ぶ。

ビクッ!
猫の体が大きく震えた。

*おいっ!なんだいきなりっ。大丈夫か?

猫は自分の太った体をうっとうしそうにひねりながら後ろにいる私を見上げる。

その私はというと、泡ぶくになった手を空中で停止させたままぼーぜんとしている。

そしてようやく声が出たかと思えばそれは悲鳴に近い声だった。
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