猫に恋する物語
@あっあんたお腹すいてない?なに食べるの?喋る猫は。

*うぅーん。猫ってなに食べるんだ?

@はっ!?
あんた自分の食べるもの知らないの?
よしっ!乾いた。

*あっ!あぁ・・・えっとあれだ・・あれ
えっと普通にお前と同じものでいい。

@えっ!?
大丈夫?死んだりしないの?

*おう。 大丈夫だ。

@ふーん。じゃあこっち。

私は不思議に思いながらもリビングに案内する。メタボはトコトコおとなしく付いてきた。

メタボは辺をぐるりと見回し一言。

*意外と狭いな・・・。

@失礼なっ!一人暮らしには十分です!

*えっ!?あんた一人暮らしなのか?
親は?

@もー居ないよ・・・。

*え・・・天涯孤独・・・・?

@というのは嘘なんだけど。

*・・・・おいっ!ほんとなんなんだ。

@親は普通に居る。元気だし・・・。クチうるさいしね。 ただ私が出てきただけ。 なんも特別なことがない普通の家に生まれた。

*それは、幸せなことだ。

@なんだろーけどね。
人には「慣れ」があるから。 
その幸せをあたりまえだと思っちゃう。 

だから幸せには気づきにくいんだよ。 
失われて初めて気づくことができるの。

失っていない私にはまだ幸せは分らないんだ。 

*そうか、確かに。そういうもんだな。


そうしてしばらく話していると電話がかかってきた。




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